ぽたぽた焼のパッケージデザインは、時代背景などに合わせて、毎年、リニューアルも含めて社内で議論している。中には、現代に実在する高齢女性に合わせ、「おばあちゃんにスマートフォンを持たせてはどうか」といった案も話し合ったことがあるという。
沼田さんは「ぽたぽた焼は、ブランドが持つ懐かしさや、ほっとするといった側面を大事にしてきました。今後もお客さまのニーズなどに合わせてデザインは進化させていく予定ですが、大事な部分は残していきたいと考えています」と説明する。
時代に合わせ、常に商品デザインの進化を探ってきた亀田製菓。近年は、SNSでの魅力発信にも注力する。19年5月に公式アカウントを開設して以来、積極的な発信が奏功し、約3年で28万人を超えるフォロワーを獲得している。
直近では、ぽたぽた焼にアイスクリームを挟んだ「ぽたぽたおばあちゃんの本気のアイスサンド」という新しい食べ方も提唱。夏場はゼリーやアイスなど、冷たい食品の需要が高まり、せんべいなどの固形物は売り上げが下がる傾向にあるという。
「季節に合わせて楽しんでもらえる食べ方をタイムリーに投稿できるよう心掛けています」と沼田さんは話す。
菓子のおいしさのみならず、個包装に載せるなぞなぞやパッケージデザイン、菓子の新しい食べ方の提案――など、商品の魅力を届けるための飽くなき追求が、ロングセラーに結び付いているゆえんなのだろう。
ちなみに、冒頭で紹介したなぞなぞ「心のやさしい人が、コンビニでよく買うものな〜んだ?」。この答えは「肉まん」だという。
「『憎まん』と掛けただじゃれの要素があるのですが、少し難しかったでしょうか」(沼田さん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング