月利8%? 激増する怪しい投資話、金融教育は対策となるか金融ディスラプション(2/3 ページ)

» 2022年09月06日 07時15分 公開
[斎藤健二ITmedia]

月利5%以上はほぼ詐欺だ!

 詐欺かどうかの見分け方として、まず「月利5%以上はほぼ詐欺、月利という言葉を使うのはほぼ詐欺」だと堀江氏は言う。

 複利を考えなくても、月利5%は年利に換算すると60%にも達する。こんな利回りの商品が存在するのか? それを考える際には、リスクフリーレート+リスクプレミアムが利回りになるという投資理論が参考になる。

 リスクフリーレートとは、全くリスクがない投資商品へ投資した場合の利回りだ。世界的にいえば、それは米国の国債への投資であり、ざっくり利回りは3%となっている。リスクプレミアムとは、そこに上乗せされる利回りのことで、これが大きいほどリスクも大きいことを意味する。例えば今、米国株式の期待利回りが6%だと言ったら、リスクフリーレート3%にリスクプレミアム3%の組み合わせでできているということだ。

 ではリスクプレミアムは、どんな場合にどのくらいになるのか。「4割くらいの人が潰れるんじゃないかと思っている会社の社債利回りで10〜12%程度。ギリシャが一番やばかった時で30%くらい」だと堀江氏。年利60%の投資のリスクの高さが分かる。

 「旨味のある投資を100%否定することはできないが、そんな美味しい話が世の中に出回っていて、しかも自分のところに回ってくるかというとそんなことはないと考えるべき」(堀江氏)

ライセンスを確認

 もう一つの詐欺の見分け方が、投資先が認可された免許を持っているかどうかだ。例えば、株式や債券などの金融商品の提案にも免許が必要だ。IFA事業者は、金融商品仲介業者の免許を持っており、証券会社が扱っている商品だけを案内できる。またFXや先物、オプションなどについては提案できない。

 もう一つ、投資助言業ならば、個人に対して「この株を買うといいですよ」とアドバイスしてお金を取れる。逆に、金融商品仲介業者は顧客から直接お金を受け取ることは禁止されている。

 投資案件を持ってきた先のWebページにこうした免許が載っていれば、ある程度は安心できる。金融庁が認可した会社や認可した商品への投資になるからだ。

お金の相談に関する免許の種類(Japan Asset Management資料より)

 逆に、免許が不要な商品への投資は、失っても困らない額でやるべきだと堀江氏。詐欺ではないとしても、投資先のリスクを把握して、リターンが適切かを判断するのがたいへん難しいからだ。「詐欺で多いのは不動産を証券化してファンドにしたもの。FXなどのシステムトレードも肌感覚では9割詐欺。聞こえがいいのでお金を集めやすいが、言っていることが本当かどうかの判断もできない。基本的にやらないのが無難」(堀江氏)

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