航海中、インターネットの接続が不安定になるので、船内で使えるシステムを用意。乗船証に記載したQRコードと、船内施設の各テーブルや座席に割り当てたQRコードをリンクして、行動履歴を保存している。
利用者がダイニングやラウンジなどで着席すると、乗員はハンディデバイスで読み取る。利用者がいつどこの席に座ったのかを把握できるので、あとから感染者が発生した場合、濃厚接触者を探し出すことが可能となっている。
座席を利用する場合、テーブルまたは座席のQRコートを読み込む
乗船証に記載してあるQRコードを読み込み、利用者、利用場所、利用日時の記録を保存する
乗船中に症状がでた場合、船医の診断を受けて、船内で隔離される。同じ客室を使っている人も隔離されるほか、感染者の行動履歴から濃厚接触者を割り出して、該当者も隔離される。
にっぽん丸では、客室20室を販売せずに、常設の隔離室を確保。その中の1室は、感染症医療で必須の陰圧テントを用意している。
隔離用客室に陰圧テントを展開して、陽性者の病室として使用する
商船三井客船は当時、感染者が発生した段階で船内全ての施設を休止し、イベントも中止。全ての乗客は、自分の客室で待機することになっていた。感染者を隔離したあとに検査を実施し、併せて聞き取り調査や行動履歴から船内に立ち入り制限エリアを設定。消毒作業を行いながら、行動履歴から濃厚接触者の割り出しにも着手する。
陽性だった場合も、乗客への告知、隔離の継続など対策を継続する。立ち入り制限エリアや安全エリアを設け、搬送先の港湾局や保健所への連絡、乗客の帰宅経路や宿泊先の紹介などに着手する。一方、本社は、対策本部を立ち上げて関係機関との連絡や協議、現地対策班の立ち上げ、広報作業に取りかかるとしている。
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