クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

テスラのモデルY国内で初納車 “S3XY”ラインアップが完成(2/2 ページ)

» 2022年09月08日 18時49分 公開
[斎藤健二ITmedia]
前のページへ 1|2       

 直近のソフトウェアでは、例えばウインカーを出すとその方向の側面カメラ映像をディスプレイに表示したり、全方位動画をドライブレコーダーとして保存する機能などが搭載されている。

 ほとんどの操作は、中央に設置された15インチのタッチディスプレイで行うが、視線を動かさずに操作できるよう、音声認識が強化されている。例えば、「暑い」と言えばエアコン温度が下がったり、行き先を言えば、自動的にナビが設定されたりといった具合だ。ナビの地図の拡大縮小まで音声認識で行える。

ドライブレコーダー機能の画面。駐車中も振動などで録画をスタートできる。ソフトウェアアップデートで次々と新機能が搭載される。テスラ車が「走るスマホ」と呼ばれる所以だ

 クルマとしてのモデルYは大変にパワフルで、エントリーグレードのRWDモデルでも時速100キロまでの加速が6.9秒。パフォーマンスモデルでは3.7秒と、スポーツカー顔負けの性能を誇る。最高時速も250キロだ。

 500キロ超という航続距離を実現するために大量のバッテリーを積んでおり、重量は約2トンに達する。重いボディを支えるため足回りは固く、スポーツカーのように機敏な動きを見せるが、乗り心地は良いとはいえない。

 世界的に見ても、モデルYは最も売れているテスラ車だが、国内でも人気は高いだろう。テスラジャパンの担当者は「もうすぐ都内でもたくさんのモデルYが走っているのを見ることになる」と話す。

 価格は、6月10日の受注開始日には619万円だったが、現在は643万8000円からと、わずかに値上がりしている。テスラは時期も頻度も決めず、いきなり価格を変更するメーカーだ。モデル3では、最廉価モデルが当初の511万円から429万円へと80万円以上値下げとなり、その後徐々に価格が上昇して、直近では596万4000円まで値上げされている。円安傾向もあって、大きな価格変化もあるかもしれない。

納車待ちの大量のモデルY
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.