直近のソフトウェアでは、例えばウインカーを出すとその方向の側面カメラ映像をディスプレイに表示したり、全方位動画をドライブレコーダーとして保存する機能などが搭載されている。
ほとんどの操作は、中央に設置された15インチのタッチディスプレイで行うが、視線を動かさずに操作できるよう、音声認識が強化されている。例えば、「暑い」と言えばエアコン温度が下がったり、行き先を言えば、自動的にナビが設定されたりといった具合だ。ナビの地図の拡大縮小まで音声認識で行える。
ドライブレコーダー機能の画面。駐車中も振動などで録画をスタートできる。ソフトウェアアップデートで次々と新機能が搭載される。テスラ車が「走るスマホ」と呼ばれる所以だ
クルマとしてのモデルYは大変にパワフルで、エントリーグレードのRWDモデルでも時速100キロまでの加速が6.9秒。パフォーマンスモデルでは3.7秒と、スポーツカー顔負けの性能を誇る。最高時速も250キロだ。
500キロ超という航続距離を実現するために大量のバッテリーを積んでおり、重量は約2トンに達する。重いボディを支えるため足回りは固く、スポーツカーのように機敏な動きを見せるが、乗り心地は良いとはいえない。
世界的に見ても、モデルYは最も売れているテスラ車だが、国内でも人気は高いだろう。テスラジャパンの担当者は「もうすぐ都内でもたくさんのモデルYが走っているのを見ることになる」と話す。
価格は、6月10日の受注開始日には619万円だったが、現在は643万8000円からと、わずかに値上がりしている。テスラは時期も頻度も決めず、いきなり価格を変更するメーカーだ。モデル3では、最廉価モデルが当初の511万円から429万円へと80万円以上値下げとなり、その後徐々に価格が上昇して、直近では596万4000円まで値上げされている。円安傾向もあって、大きな価格変化もあるかもしれない。
納車待ちの大量のモデルY
- テスラ、中型SUV「モデルY」の国内受注開始 619万円から
テスラジャパンは6月10日、ミドルクラスSUV「モデルY」の国内受注を開始した。価格は補助金適用前で619万円から。Webサイトにて、クレジットカードによるオーダーが可能になっている。現時点で納車予定は8月。
- 「テスラModel 3」日本上陸 スマホ的自動車は何をもたらすか?
電気自動車メーカーのテスラが国内のサポート体制を強化する。国内で4カ所目となるサービス拠点を東京東雲に開設し、夏から秋という普及価格帯のModel 3の販売に備える。まさに動くスマホとでもいえるModel 3の様子も紹介する。
- テスラ、モデル3を最大156万円値下げ 最廉価モデルは429万円に
テスラジャパンはミドルクラスのEV「モデル3」を値下げした。ラインアップ3車種のうち、ミドルレンジの「ロングレンジAWD」では655万2000円(税込、以下同)を499万円へと156万円値下げ。ローエンドの「スタンダードレンジ プラス」は511万円から429万円へ下げた。
- テスラModel 3をどう評価すべきか?
テスラは既存の自動車産業をおとしめ、フェアでない批判を繰り返してきた。ただしコロンブスの卵的発想でプレミアムEV市場を作り出し、EVのイメージを変えた功績は認めざるを得ない。そのテスラの正念場がModel 3だ。プレミアムEVメーカーから脱却し、量産EVメーカーになれるかどうかはModel 3の成否にかかっている。
- テスラModel 3試乗 これはドライバーの理想ではなく、テスラの理想
日本に2台しかないModel 3を試乗。ガジェット的な数々の仕掛けはひとまずおいておき、500万円オーバーのクルマとして冷静にみた場合にどうなのかをまとめてみる。また、自動運転の味付けにはメーカーの考え方がよく現れる。テスラの場合、ドライバーの理想ではなく、テスラの理想がクルマを走らせるのだ。
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