フランスの企業グルミーは、アヒルの卵からフォアグラを作り出している。フォアグラを作るにはアヒルやガチョウに大量の餌を食べさせる強制給餌(ガバージュ)と呼ばれる飼育が行われており、残酷だと否定されることもある。ラボで作れてしまうのなら、そんな問題もなくなるだろう。
米国と英国、ドイツで調査を行うと、こうした代替食品に対して興味を持っている人は77%に上る。事前に言われなければ分からないほど精巧にできているのなら、どちらでも良いと考える人は多いということだ。
英国のシンクタンク「ブルーホライズン(Blue Horizon)」によれば、2035年までに世界で消費される肉と卵、乳製品の10分の1は工場などで作られる代替品になると予想している。
国連の予想では、58年には世界人口が100億人を突破する。人口増の中で、自然災害や肥料不足などで食糧危機が起こることも指摘されている。ラボでの食糧開発が、その解決策になる可能性があるのだ。
食事に加えて、最近注目されているのは、ラボで作られる「ダイヤモンド」である。映画にもなっているが、ダイヤモンドの採掘は非常に危険が伴い、児童労働や環境破壊なども指摘されてきた。
「ラボグロウンダイヤモンド」の品質は、天然のダイヤとほぼ同じといわれているが、価格は割安になっている。人権侵害などで批判されている中国での生産が多いので、そこでもまた別の批判が起きつつある。ただ少なくとも、新たなエシカル(環境や生活に配慮する考え方)な選択肢が考えられていることは重要である。
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