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「新人が育ってくれない」と悩む上司が知らない、Z世代の特徴とは(1/4 ページ)

» 2022年09月13日 07時00分 公開
[溝上憲文ITmedia]

 「Z世代」と呼ばれる1996年以降に生まれた人たちが、2019年から大卒新入社員として働き始めている。その中で、上の世代との価値観の違いや、仕事への向き合い方をめぐる摩擦も起きている。

Z世代である新入社員との価値観の違いによる摩擦に悩む人が少なくない(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 広告関連業の人事課長は、あらためて今どきの新入社員の特性を知らされたと話す。

 「最近の新入社員は、基本的には“良い子”が多い。性格的にはガツガツしていないし、さりとておとなしいわけでもなく、あえて言えば言動にソツがないこと。5段階の成績ではオール4のイメージ。教科書通りにやることはすごく得意だし、ある意味で優秀だ。ただし、共通するのは“失敗を恐れる優等生”という感じ。だから教えてもらっていないことをやることを極端に嫌がる。何かミスをして叱っても『教えてもらっていませんから』と平気で言う。それでいて相手の懐に飛び込むのも苦手だ。へりくだって『教えてください』というのが嫌だし、教えてくれないのも嫌だ、という人が多い」

 ソツがなく教えられた仕事は忠実にこなすのだが、どこかに失敗したくないというプライドのようなものがあり、教えられていない仕事に挑戦しようとしない。またミスしても「教えなかったあなたが悪い」と、自分の失敗を認めようとしない。その結果、上司や先輩とこじれると、簡単に退職してしまう傾向があると、この人事課長は説明する。

昭和世代と令和の若者、交わらない価値観

 こんな特徴を持つ昨今の新入社員と、「先輩社員の1を聞いて10を知れ」とか「失敗を重ねてこそ成長につながる」などと教えられた昭和生まれの上司世代。波長を合わせるのは難しいだろう。

 Z世代が最初に手にした携帯はスマホであり、情報収集やコミュニケーションの手段としてインターネットやSNSを駆使する世代でもある。一方、SNSを通じて小・中・高・大学の横のつながりは幅広いが、上下の人間関係のコミュニケーションに不得手な人も多いと言われる。

 だからというわけではないが、働くことに対する意識や価値観も昭和世代とは大きく異なる。

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