今では信じられないだろうが、10年前は立派な経済人たちが大真面目で「東京五輪で日本経済復活!」「東京五輪をきっかけに日本は再び高度経済成長期になる」なんて言っていた。だが、五輪をしても日本経済は何も変わっていない。「コロナが悪い」「五輪反対派のせいだ」といろいろ言い訳をする人もいるだろうが、シンプルに人口減少で国力が落ちている今の日本では、昭和のような「利権でメシを食う」というビジネスモデルが成立しなくなっているだけの話なのだ。
“五輪汚職”がどこまで広がるかは分からないが、現時点の登場人物を見る限り、紳士服、出版、駐車場という「人口減」のあおりをモロに受けている企業ばかりだ。
これが今の日本経済を象徴している。巨大利権に頼っても、経済は決して良くならないということだ。国民もいい加減そろそろ「五輪」に過剰な期待をのっけるのはやめるべきではないか。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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