低価格アパレルのハニーズ、10〜13%の値上げに踏み切る

» 2022年09月30日 16時30分 公開

 低価格のカジュアルアパレルとしておなじみのハニーズは、福島県いわき市に本社を有し、10代から50代までの幅広い女性客に受け入れられている。低価格ながら、流行を意識したほぼ100%に近い自社企画の商品を製造・販売し、22年8月末現在で866の店舗数を持つ。かつて中国だけで600店舗もの出店をしたが、赤字が続き全店撤退をした苦い経験がある。

photo (出所:ハニーズホールディングス公式FB)積極的なSNS発信が目立つ

 ハニーズは、この秋・冬物から定番商品の一部を除き10%から13%の値上げに踏み切る。生産は低人件費のASEAN、とりわけミャンマー(半分超)やバングラディシュ(20%超)、カンボジア(10%超)で手掛けているが、そこでの原価上昇を転嫁する。足元では、松岡茉優さん、玉城 ティナさんを起用したり、SNSでの積極的発信で、若年層重視の方針を打ち出したりしており、既存店の売り上げは堅調である。

photo (出所:ハニーズホールディングスWebページ)松岡茉優さん、玉城 ティナさんを起用。

 ハニーズホールディングス(東証プライム 2792)は9月29日、2023年5月期第1四半期(6月〜8月)の連結決算を発表した。売上高は118億円(前年同期比12.4%増)、営業利益は9.6億円(同110.7%増)、四半期純利益は6.8億円(同124.8%増)であった。高い売上総利益率59.0%や前述のASEAN生産比率96.6%の維持もあり、増収増益に安定感が見える。

photo (出所:筆者作成)有利子負債ゼロのキャッシュリッチ企業でもある。

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