「にじさんじ」「SKE48」「オリックス」「ヤクルト」──ライバル同士の“賞賛広告”に反響  その正体とは?(1/2 ページ)

» 2022年10月21日 13時50分 公開
[ITmedia]

 VTuberグループ「にじさんじ」とアイドルグループ「SKE48」、プロ野球球団の「オリックス・バファローズ」と「東京ヤクルトスワローズ」。同じ業界内でしのぎを削っているライバル同士が新聞広告上で共演し、互いに賞賛し合うという、一風変わった取り組みが反響を呼んでいる。博報堂出身の三浦崇宏さんが、電通出身の福本龍馬さんと設立したマーケティング会社「GO」(東京都港区)が企画し、朝日新聞10月20日付けの朝刊に新聞広告として掲載された。

 プロジェクト名は「#2022年を愛の年に」。同社は「広告=自社の宣伝」という枠組みを超え、他社との違いを認め、誰であろうと讃えることを広告を通じて提案している。内閣府が1月に発表した「国民生活に関する世論調査」によると、日常生活での悩みや不安について「感じている」「どちらかと言えば感じている」と回答した人が77.6%に上り、過去最高を記録したことなどを背景に企画。「新聞広告の日」である10月20日に掲載した。

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 広告は、同プロジェクトのメッセージと、ライバル同士の賞賛メッセージで構成。「にじさんじ」「SKE48」「オリックス」「ヤクルト」に加え、サッカー漫画『アオアシ』(小学館『ビッグコミックスピリッツ』で連載中)と『ブルーロック』(講談社『週刊少年マガジン』で連載中)も相互メッセージを送っている。

 同社は「内閣府の調査以外にも、歴史的猛暑が記録される中でのマスク生活が続いたり、止まらない値上げラッシュが家計を苦しめたりするなど、2022年は生活者の悩みや不安を増幅させる出来事が多く続いた」と指摘。「2022年も残すところあと73日と迫る中、煽りあうのではなく、讃えあうことを提案するプロジェクトを通して、2022年が愛の年となるきっかけをつくることを目指す」としている。

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