かつては過激だったドンキの「コスプレ商品」に驚きの変化 担当者が語った“カワイイ”デザインの秘密ハロウィーン商戦(1/4 ページ)

» 2022年10月21日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ドン・キホーテで販売しているコスプレ商品の利用シーンが、コロナ禍で大きく変わっている。かつては若者が“密”になって集まるようなイベントなどで着用されていたが、コロナ禍ではどうなっているのか。商品開発を担当している飯山琢巳氏(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス ライフスタイルMD開発本部)に話を聞いた。

SNS映えを意識した商品(提供:パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、以下同)

 ドンキで取り扱っているコスプレ商品(コスチューム、カツラ、カチューシャやヘアピンといった小物など)は最大で約3500種類ある。ハロウィーンやクリスマスのような一大イベントの際には約4000種類に増え、国内約400店舗で取り扱うという。コスプレ商品に関して、ドンキは国内最大級のチェーンといえるだろう。

 コスプレ商品の中でも売り上げが最も大きいカテゴリーはコスチュームだ。3000〜4000円の価格帯が中心で、幅広い層が購入しているが、ボリュームゾーンは10代後半〜20代前半の若者だ。店内で扱うのは、女性用アイテムのほうが圧倒的に多い。飯山氏は「仮に店内に棚が10本あるとすると、男性用は1本程度で、残りは全て女性用です」と説明する。

スタンダードな制服のコスチューム

 男性用の場合、警察官や囚人といったベーシックなものが売れる。一方、女性は細かい仕様にこだわる傾向があるので、トレンドや個別ニーズにしっかり対応する必要がある。

 飯山氏は女性目線の「カワイイ」を研究するために、お客が普段チェックしていそうな通販サイトや雑誌に目を通している。また、SNSの使い方も確認している。アパレルのトレンドなども踏まえ、メーカーと商品をつくりこんでいる。例えば、今年のトレンドだと考えているものに「(動物の)クマ」と「チェック柄」がある。クリスマス用のサンタクロースコスチュームには、チェック柄のリボンと、クマをイメージした耳を採用している。

サンタのコスチュームにはトレンドのクマの耳とチェック柄のリボンを採用

 通常時におけるコスチュームの品ぞろえは、メイド、学校の制服、女性警察といったスタンダードなものが中心となる。一方、ハロウィーンやクリスマスといった一大イベントの際には、特別に企画した商品を投入する。例えば、ハロウィーン商戦では、キョンシーのコスチュームを企画した。ターゲットは、「ちょっと肌を見せたいけど、そこまで露出は多くしたくない」女性だ。そして、上半身を自撮りするシーンが多いことを想定し、顔まわりや上半身がきれいに見えるデザインにしている。

女性警察のコスチューム
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