――レストラン、なだ万厨房でどこか進出したい都市はありますか?
仙台、広島にはレストランはあるのですが、なだ万厨房はないので店を構えたいです。熊本、鹿児島辺りもなだ万厨房が出ると面白いかなと思っています。人口50万人を超えると百貨店が1軒、70万人を超えると2軒ある都市もありますが、そのような地方の中心都市にさらに出ることができればと思います。
――北京、上海、広州、香港、クアラルンプール内にあるシャングリ・ラ・ホテル内に支店を構えていますが、海外展開については考えていますか?
コロナ前は広げていこうと考えていましたが、今は国内をまずしっかりやっていきます。国内では新宿のハイアット・リージェンシーになだ万をオープンさせましたし、8月24日には銀座三越の地下に、なだ万厨房を開店させました。国内からは、出店依頼の引き合いは多くいただいていますので、精査をしながら出店を決めていきたいと思っています。
海外に展開する場合は、カントリーリスクが顕在化する世の中になってきましたので、オーストラリアや欧州を中心にリスクが少ないところを考えてみたいと思っています。
――今後の売り上げ目標については?
2020年は創業190周年でいろいろ準備をしていましたが、新型コロナでほとんど行うことができませんでした。次は30年の創業200年でいろいろなことをやっていきたいと思います。
売り上げ実績としては19年の実績で150億円でした。創業200年時には200億円を目指します。
――なだ万厨房の方が売り上げを伸ばしやすい余地がありそうですか?
その通りです。もちろん、レストランもいい物件があれば考えます。
――基本的に、ホテルに進出するとなると、デパ地下に出店するよりもハードルが高そうです。
富裕層のご利用も多く、宿泊客の朝食や宴会でも料理を提供しています。ホテルでの売り上げは、レストラン店内に加え宴会も多いので 重要な稼ぎどころです。
――なだ万の名前は、夏目漱石や森鴎外の小説に登場するほか、1986年の東京サミットの公式晩餐会で「なだ万本店 山茶花荘」が民間施設として初めて使われています。なだ万というブランドをどう捉えていますか?
当社には調理人だけで300人いますが、飲食業界でこれだけの高いレベルの調理人を抱えているところはほとんどないと思います。各国大使館の公邸料理人として人を派遣したこともあります。
名前は言えませんが、超一流企業の接待施設や出張宴席の料理提供なども行っています。こうしたところに呼ばれるのは、長年にわたり築き上げてきた信頼と、何十店舗を展開してきた組織力があるからこそだと思います。
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