――調理人の評価は、どうやって実施するのですか?
総料理長が評価します。 入社してからは日々修行を積み重ねていきます。引き出しを増やすため自身の調理技術を磨く他、調理人は独立心の高い人たちも多いので、人を束ねることができるかなど、統率力を見たりします。
――貴社の将来を考えると、若い客層もある程度、取り込む必要があると思います。一方で価格帯を考えると気軽になだ万に行けません。長期的な経営の観点から、どのような戦略を展開していきますか?
コロナ前は年間80万人のお客さまにご来店いただいていましたが、日本の人口を考えるとまだまだお客さまとの接点が少ないというのは間違いありません。
現状は常連の方、企業で接待をする方、富裕層の方、お祝い席でのご利用の方に使っていただいくことが多いです。ただ今後、ご利用いただいている層が大幅に増える状況ではありませんので全国各地のデパ地下にある「なだ万厨房」で販売している弁当なども活用したいと考えています。
――「なだ万厨房」の業態について教えてください。
この店は全国に40店舗ほどあり、年間170万人ほどが来店しています。平均単価が2500円ほどですので「なだ万の弁当っておいしいね」と知ってもらうエントリー層になってもらい、接点を広げていきたいです。
他にも、客単価7000〜8000円ほどで、毎日使いは無理としても、大きく背伸びしなくても良いような業態の店を作っていきたいと考えています。赤坂ジパング スーパーダイニングでは、おでんのカウンターがあります。おでんはコロナ禍からスタートしたのですが、ご好評いただいておりますので、コロナが落ち着いたら、おでんの店を本格的にやってみたい考えはあります。
――つまり、おでんカウンターは、将来を見据えての実験的な意味合いがあるのでしょうか?
もともと、そうではなかったのですが、コロナ後を見据えて新業態をやりたいということです。おでんは出汁(だし)を使うので、なだ万のノウハウ的なものを生かせますから。
――若者を引き付ける意味ではソーシャルメディアが大きな影響力を持っています。
大量のCMを流せるわけでもありません。接点を少しでも持つために、YouTubeやインスタグラムを使ってアピールをしています。コロナが始まったころには各調理長が、なだ万の名物料理の作り方を教える動画の配信をしました。
――今後の国内の出店基準は、どんな点をポイントにしますか?
ホテルの場合ですとブランド力、百貨店の場合は集客力です。加えて出した店がぽつんとあるような状況にならないようにもしないといけません。理由は、人事交流がなかなかできないからです。
例えば、北海道ではレストランが「雅殿」と「茶寮」の2つの店があり、なだ万厨房も2カ所の百貨店に入っています。合計4店舗あるわけですが、お互いの調理人が助け合って運営をしています。
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