カニカマ大手のスギヨ(石川県七尾市)は、玩具メーカーとコラボし、カニの殻の形をしたカニカマ専用ピックを開発した。カニの骨と同じ2本の薄く平らなピックをカニカマに刺すことで、本物のカニのように見せるユニークな商品だ。インスタントラーメン、レトルトカレーとともに「戦後の食品三大発明」と称されるカニカマが誕生して今年で50年。節目の年にアイデア商品を展開し、市場を盛り上げていく狙いだ。
水産加工のスギヨはカニカマ専用ピック「カニスギ〜ヨ!」を開発した(スギヨ提供)
「消費者のSNS投稿を見たのが開発のきっかけです」
こう話すのは、スギヨ広報担当の田畑梨杏里さん。投稿された画像は、カニの脚の食品サンプルから身の部分を取り外し、スギヨのカニカマ商品「大人のカニカマ」を刺し込んで本物のカニそっくりな状態にアレンジしたものだった。
畑中さんがカニの脚の食品サンプルをアレンジして作ったピック(畑中さんのTwitter投稿より)
投稿したのは、「大人のカニカマ」の大ファンだという畑中琢哉さん。畑中さんはもともと玩具店に勤めており、現在もユーモア雑貨デザイナー・クリエイターとの肩書きで、ユニークな雑貨のデザインなどを手掛けている。
畑中さんが酒のおつまみとして好んで食べていたカニカマを息子が気に入り、「せっかくなら面白い食べ方にアレンジしてみよう」と考えたという。
このアイデアに魅力を感じた田畑さんはすぐ畑中さんに連絡を取り、コラボを打診。製品化に向けてチームを発足し、試行錯誤を繰り返すこと2年。ようやく完成したのが大人のカニカマ専用ピック「カニスギ〜ヨ!」だった。
2年の試行錯誤を経て完成したカニカマ専用ピック「カニスギ〜ヨ!」(スギヨ提供)
「カニカマの身はとてもほぐれやすく、ピックの湾曲や厚さの加減を誤ると身が裂けてうまく刺さらず、バランスを取るのに苦労しました」(田畑さん)
当初試作したものは、ピックの部分が1本だったが「カニには半透明のスジが2本あるよね」との杉野哲也・スギヨ社長の助言をもとに、ピックを2本に改良。より本物に近づけ、安定してカニカマを刺せるように工夫を重ねたという。
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