出生時育休中だが、人手不足なので一時的に就業してほしい 可能なのか?条件・手続きは(1/2 ページ)

» 2022年11月16日 05時30分 公開
[人事労務実務のQ&A]

「人事労務実務のQ&A」とは?

 『人事労務実務のQ&A』は初任者からベテランスタッフまで全ての人事・労務関係者の実務に役立てられるよう、人事・労務に関するタイムリーな話題や、いまさら聞くに聞けない基本的な事項などをQ&A形式で解説する月刊誌です。

 本記事は、2022年9月号に掲載された「改正育児・介護休業法の実務」より「Q5 出生時育児休業中の就業はどのような場合に可能ですか/【執筆】弁護士・石嵜裕美子」を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。

Q: 出生時育児休業中の就業はどのような場合に可能ですか

 出生時育児休業では、条件がそろえば休業期間中も就業させることができると聞きました。当社としては人手不足ということもあり、休業中も就業できる制度を導入したいと思っています。出生時育児休業中の就業を可能とするための条件や手続きを教えてください。

photo 画像はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

A: 労使協定に定める労働者からの申し出と就業日などの同意で可能

 休業中に就業できることとする労働者を定めた労使協定の締結が必要です。そのうえで、協定の定めに該当する労働者から就業の申し出があり、法定の手続きにのっとって就業日などへの事前の同意が得られた場合に限り可能です。就業日・就業時間には法定の上限があります。

※本記事の解説内容の参照元は育児・介護休業法(令和4年10月1日施行)第9条の5第2項〜第5項、同施行規則第21条の15〜第21条の19、同施行通達第2・30〜第2・33「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和4年7月25日時点)」Q6−1です。

労使協定の締結

 出生時育児休業中の社員に就業させるには、第一に、事業主が事業場の過半数労働組合または過半数代表者との間で「出生時育児休業中に就業できる労働者」について労使協定を締結しておくことが必要です。

 特に対象者を限定しない場合には「出生時育児休業中の就業を希望する従業員は、就業可能日などを申し出ることができる」、対象を特定の部署の社員などに限定したい場合には「〇〇部に所属する従業員は、出生時育児休業中の就業を希望する場合、就業可能日などを申し出ることができる」などと協定に定めることが考えられます。

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