実際、リサイクルボックスの中には異物はどれくらい入っているのか。18年12月に東京都内で調査したところ、清涼飲料の空容器は69%で、異物は31%という結果となった。内訳は「たばこ関連(吸い殻・パッケージなど)」(28%)が最多で、「酒類容器」(22%)、「生活関連(ビニール・洗剤など)」(19%)と続いた。
石黒氏によると、自販機に飲料を補充したり、お金を回収したりするオペレーターがリサイクルボックスを管理しているケースがほとんどだという。商品を補充した際、リサイクルボックスの中身は同時に回収され、リサイクル事業者に引き渡される。
オペレーターは、処理費用をリサイクル事業者に支払っている。処理費用は、「1キロ当たり●●円」「1コンテナ当たり●●円」といったように、量に比例する。つまり、リサイクルボックスの中に異物が混入している場合、その処理費用を支払っているのはオペレーターということになる。これが「大きな負担になっている」(石黒氏)状況だ。
異物が混入すると、リサイクル事業者にも負担がかかる。例えば、異物を選別するのは手作業というケースが多い。また、ペットボトルに油分がつくと、取り除く必要があり、リサイクルに回せる量が減ってしまう。
清涼飲料業界では、18年11月に「2030年ペットボトル100%有効利用」を、21年4月には「2030年ボトルtoボトル比率50%以上」を目指すと宣言している。
こうした事情もあり、本格的に開発に取り組むことになった。
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