最近良く聞く言葉「ウェルビーイング(Well-Being)」。精神的、身体的、そして社会的に心身ともに健全な状態を指しますが、コロナ禍でこの状態が損なわれる人も出てきているようです。
組織内で成果を上げようとすれば、ウェルビーイングな状態でなければならないのは自明です。ウェルビーイング経営という言葉も出てきていますが、これには組織内の人間関係が良好な状態であることも含まれます。
健康経営が注目され始めた時、アブセンティーズム、プレゼンティーズム、という言葉を聞いた人もいるのではないでしょうか。
アブセンティーズムとは、病気やケガなどで会社を休むこと。プレゼンティーズムとは、出勤しているのだけれど、腰が痛い、花粉症、あるいは、何か悩み事があり、満足に働けない状態のことです。
実態として、アブセンティーズムよりプレゼンティーズムの方が、企業には実害があると言われます。つまり、ウェルビーイングな状態で仕事ができないと、単なる生産性の低下以上の悪影響があるのです。
「幸福経営」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。ワクワク楽しく仕事をしている人は、そうでない人よりも、生産性が31%高く、売り上げで37%高く、創造性にいたっては3倍高いと言われます。多くの企業が働く場や人事制度を変革して生産性向上を目指していますが、それよりはるかに効果が高いのがこの幸福経営なのです。
幸福経営は、次の4点から構成されます。
存在意義は、会社の方向性と自分のやりたいことが近いほど幸せである、ということです。自分らしさは、自分の強みを生かし、裁量権を持って仕事ができる状態を指します。関係性は、先のWell-Beingにおける、社会的に良好な状態と同じ意味で、心理的安定性が担保されたメンバー間の良好な人間関係のことです。そして最後がWellness。Well-Beingの身体的、精神的に良好な状態です。これがベースとなり、良好な関係性を築けて、自分らしく仕事ができ、その上で会社との方向性に合致している状態が、働く上での幸せとなります。
心身の健康が土台となり、メンバー間の関係性、自分らしさ、パーパスのすり合わせ、により構成される幸福経営も、主要要素はウェルビーイングとなるのです。
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