11月22日、マツダは中期経営計画をアップデートして、説明会を開催した。
全体を見ると、過去数回のアップデートを繰り返して来た中経には、大幅な変更があるわけではない。ただ時間の経過とともに、昨日の明日が今日になり、明後日が明日になった。より近くなった未来予測は精度が向上して、詳細になるし、その間に社会の側が変わった部分は反映されている。大筋において、正常アップデートと見ればよい。
今回はっきりしたのは時間軸ごとのフェーズ分けである。マツダでは2022年から24年までの直近2年間をフェーズ1、2025年から27年をフェーズ2、2028年から30年をフェーズ3と定義した。つまり30年までの年限を2年ごとに区切って、スケジュールを明確化したことになる。
その上で、それぞれの課題を具体的に示した。フェーズ1では「電動化時代に向けた開発強化」がテーマであり、既にCX-60で第1弾がローンチされた「ラージ商品群」を順次市場に投入していく。ラージ群のメインマーケットは米国なので、北米で先行投資を回収していくことが戦略の中心だ。
その回収を進めていくためには、現在暴騰中のコスト増加をどう抑え込むかが鍵になる。部品不足、原材料高騰の中で、確実に原価低減活動を進め、また生産が滞らないようにサプライチェーンを強靱化するとしている。このあたりは至極まともで、正攻法といえる。
長期計画で進めてきた北米戦略モデルのリリースタイミングで、米国経済の景気後退で向かい風というのはマツダの不運であり、本当に毎度気の毒だが、何もマツダだけに吹く逆風ではない。確かにタイミングは悪いのだが、事ここに至って嘆いても始まらない。やるべきことを粛々と進めるだけである。
なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
なぜSUVは売れているのか 「しばらく人気が続く」これだけの理由
マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか
なぜプリウスは“大変身”したのか トヨタが狙う世界市場での逆転策
新型クラウンはなぜ大胆に変わったのか
「水素エンジン」は本当に実用化するのか トヨタの本気が周りを動かし始めたCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング