「そんなに上がるの?」電気料金39%値上げ、沖縄の経済はどうなる節約も限界(1/2 ページ)

» 2022年11月30日 16時00分 公開
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 沖縄電力が、標準的な家庭で1カ月当たり3473円もの負担増になる電気料金の引き上げ申請を発表した28日、県民からは驚きや不安の声が上がった。食料品などの物価上昇も続く中、生活困窮者は「これ以上切り詰めようがない。どうすればいいのか」と困惑した。一方、企業もコスト増を懸念し、価格転嫁に頭を悩ませている。(社会部・島袋晋作、當銘悠、普久原茜)

電気料金の負担増に本島中部の女性は「痛い」と話す(提供、画像を一部加工しています)

これ以上の節約は思い付かない

 「そんなに上がるの?」

 本島南部で中学生の娘と息子を育てるシングルマザーの40代女性は値上げ申請の知らせに驚き、ため息をついた。

 精神障がいがあるため働けず、1カ月約15万円の障害年金が頼りだ。できるだけ安い食材を買い、ガソリン代を節約するため車にも乗らないようにしてきたが「これ以上切り詰めようがない。どうしたらいいの」と苦しい胸の内を語った。

 県によると、モノ・サービスの小売価格の変動を表す「消費者物価指数」は今年の春から急上昇。2020年を100とした場合、10月の県の総合指数は104・6となった。

 那覇市内で年金と生活保護を受けながら1人で暮らす60代の女性は、さらなる負担増となりかねない今回の値上げ申請に「どこまで追い詰めるのか」と憤る。

 年金などの受給額が徐々に減る中、節約のため電気をつけずに料理をしたり、外灯を頼りにお風呂に入ったりしてぎりぎりの生活を送っているという。

 この女性は「これ以上の節約は思い付かない。行政はどうにかしてほしい」と切実に訴えた。

 夫婦共働きで2人の子を育て、現在3人目を妊娠中という本島中部の30代女性も「値上げは痛い」と吐露する。「これからどうなるか分からないので、冬のボーナスは貯金に回すしかない。外食も旅行も我慢」と淡々と話した。

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