消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
日本出版販売(東京都千代田区)が、2022年の「年間ベストセラー」を発表し、『80歳の壁』が総合1位を獲得した。さまざまなモノやサービスの価格の高騰や、世界情勢などを背景に自身の生活への影響が続くことから、身近なテーマに関する作品が関心を集めていると同社は分析している。
総合2位は『人は話し方が9割』、3位に『ジェイソン流お金の増やし方』と続いた。
トップの『80歳の壁』は、80歳を目前に寝たきりや要介護などという大きな「壁」を乗り越え、長生きするよりも元気でいることを提案し、シニア読者のニーズとマッチした。
『人は話し方が9割』は、21年に年間ベストセラー1位を獲得した作品で、人に好かれる話し方のコツを説いている。対面での交流機会が減り対話不足が不安視されるなかで、依然としてコミュニケーションへの関心が高いことが読み取れる。『ジェイソン流お金の増やし方』はテレビ番組で紹介されたことがきっかけで大きく売り上げを伸ばした。
単行本ビジネスでは、『人は話し方が9割』が20年から3年連続で1位を獲得。2位は『ジェイソン流お金の増やし方』、3位に『本当の自由を手に入れる お金の大学』と続いた。コミュニケーションへの関心に加え、物価上昇や円安など経済への不安から、資産形成や資産運用への関心も高まったことが分かった。
新書ノンフィクションのトップは『80歳の壁』。次いで『70歳が老化の分かれ道』『ヒトの壁』と続いた。『80歳の壁』は精神科医・和田秀樹が執筆し、累計発行部数53.5万部を突破。2位の『70歳が老化の分かれ道』も同著者の作品で、累計発行部数36万部を超えるロングヒット作となっている。
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