資源価格や原材料価格の高騰で、大手外食チェーンの値上げが相次いでいる。東京商工リサーチによると、2022年に入り大手外食の約7割がメニュー価格の値上げを実施している。気になるのが、消費者の受け止めだ。いったいどの程度の値上げで、「高い」と感じるのか。
MS&Consulting(東京都中央区)が発表した調査結果によると、現在の支払い金額に対して平均12.5%の値上げがあると、消費者が「高い」と感じることが分かった。
さらに、「顧客満足度の評価」が高い場合と低い場合では、「高いと感じ始める金額」に、平均で14.4ポイントの差があることが見てとれる。同社は「値上げに対する許容度を高めるには、接客サービスや料理のおいしさなどの顧客満足度を構成する要素を磨き高めることが重要」と分析する。
東京商工リサーチの調査では、値上げ幅も調査している。各社の値上げ対象のメニューから代表的な商品を抽出し、その値上げ幅を算出したところ、9月中旬から11月上旬の間に値上げ幅が判明した31ブランドのうち、最多レンジは「5%以上10%未満」の12ブランド(38.7%)。10%以上の値上げは11ブランド(35.4%)で、3割以上を占めている。
多くの外食チェーンが値上げに踏み切る中、まだ10%未満の値上げでとどまっているところも多い。消費者の受け止めを見る限り、顧客満足度を磨き上げることを前提として、まだ値上げの余地はあると見ることもできるだろう。
東京商工リサーチの調査は、大手外食122社を対象に1〜11月上旬までの値上げおよび値上げによる価格改定を調べたもの。MS&Consultingの調査は、外食企業211社、6152店舗を対象に、ミステリーショッピングリサーチ会員による覆面調査を実施した。期間は7月25日〜9月4日。
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