今回は「職場の飲み会」について、あれこれ考えてみようと思います。先日、管理職向けの講演会のあと、主催者や関係者の方たちと「飲み会問題」が話題になりました。
「在宅勤務でコミュニケーションをとりづらくなってしまったので、忘年会をやりたいんだけど若い社員はあまり乗り気じゃないんですよね」
「幹事をやらせちゃダメ、連絡先を聞いちゃダメ、集合時間厳守って言っちゃダメ、と上からは言われちゃって。ダメダメだらけで嫌になります」
「それ全部ハラスメントになるから、気をつけた方がいいですよ」
「うちの会社は毎年、その年度の新入社員が忘年会の幹事をやることになっているんだけど、今年はどうしようかって悩んでいますよ」
「新年会、忘年会、送別会って、日本の文化じゃないですか? なのにそれを否定的に捉える若者に合わせるのは、おかしいんじゃないかと思うんですよね」
――など。40代、50代の上司たちは、若い世代との“飲み会ギャップ”に頭を痛めているようでした。
もっとも“若者の飲み会問題”は、今に始まったことではありません。
数年前から上司たちから愚痴らしきものを度々聞いてきましたし、部下を飲みに誘いたいけど誘えないと悩む上司は、“パワハラ”が社会問題になってから増えていました。
「飲み会に誘ったら、それって業務命令ですか? ってマジな顔で聞かれた」
「飲み会の翌日、昨日のって残業代つきますよね、と言われた」
「飲み会のあとタクシーで一緒に送って行こうと思ったのだけど、自宅を聞くのはパワハラになるっていうから」
などなど……。
しかし、誤解を恐れずに言わせていただくと、「飲みニケーション」なんて言葉が生まれた高度成長期には、あたかも会社の飲み会を全ての人が喜んでいたように語られがちですが、ホントにそうなのでしょうか?
「残業代出してくれよ〜。じゃなきゃ、やってられない!」と思う人だっていたはずです。上司の「飲みに行くぞ!」の鶴の一声で、彼女とのデートの約束をドタキャンせざるをえなくなり、子どもの誕生日だろうとなんだろうと、飲みたくもない酒を飲まされ、歌いたくもないカラオケを歌わされ、飲みニケ―ションどころか、飲みにハラスメント(ん? ゴロが悪いか)に、疲れ果てていた部下たちはいたと思うのです。時代に関係なく、高度成長期であろうと、バブル期だろうとも。
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