新規プレーヤーが続々参入し、今やレッドオーシャンといえるマウスピース矯正市場。そんな状況の中で、店舗数(5店舗)が少ないことは、同社の弱点ではないのか。「これまでは店舗数の拡大を目指していたが、店舗数を増やさずとも新規ユーザーを増やせると考えが変わった」と西野氏はいう。
「一般的な歯科クリニック経由でマウスピース矯正を提供する他社とは異なり、当社の製品を導入しているクリニックは、当社のマウスピース矯正だけを専門に扱っていて、歯科治療を提供していません。初診が30分と短時間で原則通院不要のため、新規ユーザーの枠を多く確保できます。一般的な歯科クリニックと比較して商圏も広く、全国から来店があります」(西野氏)
現在の課題は、店舗拡大よりも認知率の低さや認知の曖昧さだという。
「現状、当社のシェアはマウスピース矯正全体の1%ほどです。23年中に10%を目指していますが、それを実現するには認知が足りていません。知っていても『失敗しそう』『何だか怪しい』など、踏み出すための安心材料も不足しています。
例えば、『マウスピース矯正で老け顔になる』といったネガティブな検索は多いのですが、実際ミスリードであることが多いんです。実績を積み重ね、消費者が本当に求めている正しい情報を地道に伝えていきます」(西野氏)
これは筆者の感覚だが、「歯並びが気になるけれど通うほどでもない」と思っている人にとって33万円は安くない。効果に不安があれば、余計に決意が固まらないだろう。さらに価格が下がる、あるいは「身近で矯正する人が増えたな」と感じるぐらい浸透すれば、一気に市場が広がるのかもしれない。
写真提供:Oh my teeth
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング