本記事は、『50歳の壁 誰にも言えない本音』(著・河合薫、MdN新書)を一部抜粋し、ITmedia ビジネスオンライン編集部で編集の上、転載したものです。
40歳を過ぎ、社内での自分の未来がほのかに見えてくると、「こうなりたい!」という気持ちよりも、「ああはなりたくない」といったアンチロールモデルばかりが頭に浮かびます。
「“言うだけ番長”のライン外のおじさん社員にはなりたくない!」
「小判鮫のように部長にくっついて歩く先輩を見て、あんな“ごますり男”にはなりたくない!」
「高い給料もらって『あとはよろしく!』と、定時に帰る“働かないおじさん”にはなりたくない!」
アンチロールモデルの脅威から逃れるには、転職こそが最善の道と思いがちです。
ところが、毎日の仕事に追われているうちに時間だけが過ぎ、あっという間に50歳!
セカンドキャリア研修という名の肩たたき研修を受けさせられ、「お先に!」と去ってく同期の送別会のメールが届き、焦る。……とにかく焦る。しかし、翌日になれば、その焦りの輪郭がぼやけ、転職という二文字を胸に抱えつつも、昨日と同じ日常に甘んじていいる人のなんと多いことでしょうか。
高田さん(仮名)51歳もその一人。転職の準備を始めようと動き出したものの、あっという間に5年が過ぎてしまったそうです。
一時期は「こんな会社辞めてやる!」って盛り上がって、ヘッドハンティング会社に登録していました。でも、声がかかるのは今の会社より待遇の悪いところばかりです。 “お祈りメール”って結構きつい。自尊心、ズタズタです。
それで、あっという間に5年です、5年も経ってしまいました。
その間、会社は55歳以上を対象に希望退職を募りました。よく言われるでしょ。仕事ができる人ほど辞めちゃうって。本当にその通りでした。
そういった現実を目の当たりにすると、やっぱり会社に残りたくない。でも、一方で、会社にい続けるのって、そんなに悪いことなのかなぁ、って思っちゃうんですよね。転職活動してわかったんですけど、今の会社にいた方が面白い案件にかかわり続けられそうなんですよ、確実に。
もちろんいい話があれば、即転職します。でもね、65歳の定年までいて何が悪いんだ? というのも本音です。
とりあえず、もうしばらく様子見しようと考えていますが、ずるずる会社に残ってる私は、やっぱりダメな奴なんでしょうか。
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