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51歳の苦悩──ずるずると会社に残る私は、ダメな人間なのでしょうか?河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/4 ページ)

» 2022年12月27日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]
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会社に残る人の共通点

 これらの結果が示唆するのは、

  • 50歳を超える=「役職定年」で本当にいいのか?
  • 「女性活躍=若い女性」のままでいいのか?
  • 「定年まで働く=会社にしがみつく」というイメージでいいのか?

 といった問いです。

 さらに、この調査から、「会社に残る選択をする人の特性」が垣間見える結果も明らかになりました。

お互いさま意識

  • 「困ったことがあったら人に助けを求める=ヘルプ型」と「なるべく人に頼らず自分ことは自分でする=セルフ型」の割合は、年齢と共に「セルフ型」が高まり、男性では40代後半以降は8割前後を占める
  • 職種別では、「営業・販売・サービス」でヘルプ型の割合が多かった
  • 「役職なし」はヘルプ型が多く、「部長」はセルフ型が多い

ヘルプ型はどんな人?

  • 男性の場合「ヘルプ型」の方が、「昇進意欲あり」の割合が高く、「セルフ型」は昇進を明確に拒否する傾向が高い
  • 40代後半以上の「ヘルプ型」は、ボランティア活動や保育・介護、町内活動などの、無償労働、社会活動、地域交流に参加する人が多い

「仕事」の解釈を変えると視野は開ける

 さて、いかがでしょうか?

 「定年まで働く=会社にしがみつく」という言説は、あくまでも「切りたくてたまらない経営者側」の視点です。「会社に残る」という選択をした人たちは金のためだけに残ったわけじゃない。むしろ、会社員としてきちんと働き続けようとしている人たちでした。

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