売上高は109.1%増の2040.4億円、営業利益は193.8億円の赤字から379.9億円の黒字、純利益は141.9億円の赤字から264.5億円の黒字と大きく回復しています。
業績回復には、社会情勢が大きく影響しています。前期はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言が出される中で、時短営業や人数制限もあり、十分な集客ができていませんでした。
今期は「新型コロナ感染予防ガイドライン」順守による多少の制限はありつつも、その影響は比較的限定されます。もう少し詳しく業績を見ていきます。
オリエンタルランドの主な事業セグメントは(1)テーマパーク事業(2)ホテル事業と2つあります。
それぞれの事業の業績の推移は、
となっていて、主力の両事業とも大きな業績回復が進んでいます。
そもそもオリエンタルランドのホテルに泊まるのはディズニーランドの入園者が大半です。テーマパークの業績回復はそのままホテル事業の好調にもつながりやすいという事情があります。
それではなぜ、テーマパーク事業での業績回復が進んだのかというと、コロナの影響が緩和される中で入園者数が前年比129.1%増の894万人となったことはもちろん、ゲスト1人当たりの売上高が前年比5.4%増加して1万5683円になったことも影響しています。
ゲスト1人当たりの売り上げが増加した要因は、アトラクション・ショー収入つまりチケット代が652円(9.4%)増加して7590円となったことです。
アトラクション・ショー収入の増加には、ディズニー・プレミアアクセスというパーク内施設などの体験時間や入場時刻を指定して予約できる有料のサービスが増えたことに加えて、ダイナミックプライシング(繁忙期は料金を高く、閑散期は料金を安くすること)の導入によって高価格帯チケットの構成比率が上がったことなどが挙げられます。つまり、値上げがうまくいっています。
以前取り上げたJR東日本でも、オフピーク定期券や特急料金を繁忙期に値上げする取り組みなどを進めていました。最近ではホテルもダイナミックプライシングを導入しているところが増加していて、全国旅行支援の影響もあり、土日は数倍近い値段になるほど価格は変動しています。
このように、さまざまな分野で値段変動により需給を調整する取り組みが進んでいます。時間的な自由が個人の経済事情に与える影響が無視できないほど大きくなっていますね。
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