2023年、年明け早々に先の話をするのは、ちょっとせわしないかもしれないが、秋に4年ぶりに開催される東京モーターショーについて、今回は考えてみたい。
日本自動車工業会(以下、自工会)の現会長である豊田章男トヨタ自動車社長は以前、会見で「JAPAN オールインダストリーショー」と改名して、自動車産業以外の参加も国内から広く募る案を明かした。これには賛否両論あったようで、その後自工会から次回のモーターショーのイベント名は「JAPAN MOBILITY SHOW」となったと発表があった。
そこまで大胆に変わることはなかったものの、東京モーターショー(以下TMS)という名称は前回で終わってしまったわけだ。それは一つの時代の終わりをまた証明するものであり、クルマの大転換期を感じさせるに十分な響きである。
東京からジャパンへと地名の呼称が変わるのは、日本を代表するイベントとした想いがあるのかもしれないが、筆者は逆にドメスティックなイメージが強まってしまうと思う。やはりTOKYOは海外から見て魅力的に映る地名だ。JAPANは日本全体であり、イメージとしてボケるのは否めない。
JAPANのほうが国際的なイメージなのでは、と思われる読者もおられるだろうが、そもそも国際的なモーターショーでも海外メーカーの参加は減少傾向にある。
もう随分前から、自動車メーカーは特定のモーターショーに注力することが公表されており、ドイツのフランクフルトショーと北米のデトロイトショー、中国の上海モーターショーだけは世界中の自動車メーカーが出展するものの、それ以外のモーターショーはその国のメーカーは出展するが、海外メーカーからの出展はほとんどないという、国際的なモーターショーとしてはいささか寂しい状態となっていったのである。
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