表題と無関係の話題から始まって恐縮だが、地道に改善を続けているのだと感心したことがあった。面倒くさいと思う方は次のセクションへ。しかしコラムとしてはつながった話なので、お時間があるなら読んでいただきたい。
年明け早々に米ラスベガスで始まっていたテクノロジー見本市「CES 2023」を視察して帰国した成田空港。普段とは異なるエアラインを使った関係で後部座席からの降機となったが、満席の機内から一気に降りてくるエコノミー客の持つスマホ画面を頼りに、こちらが反応する前から、担当者が黄色い「健康カード」を渡してくれた。
このカードは検疫のFast Trackへと進める人に渡すもので、コロナの水際対策を徹底するようになってから用いられているものだ。
カードの仕様や運用は時期によって異なる(以前は2色の紙で人流が分割されていた)が、大幅に日本人帰国者への規制が緩和された直後の9月初旬に比べると、ステータス確認の手間は大幅に削減された。実は12月初旬にもロンドンから羽田というルートで入国したが、その際には入国審査場すぐそばのゲートだったこともあり、出口でいきなりカードを渡されて入国審査に直行。まるで水際対策が行われていないかのようなスムーズさだった。
紙のカードを人手で渡す無駄を指摘する声もあるが、端末操作が不得手な人や、Visit Japan Webのことをよく知らずに到着する人などもいる中「この人はどんな人?」と言うステータスを最もシンプルに表現する方法としては悪くない。
かつてはステータスチェックで渋滞が頻発していたことを考えれば、最小限のコストで人流を妨げずに入国させる流れを上手に作り上げていた。というのが、正直な感想だ。
ただし、せっかく電子申告が可能になった税関申告書類の方はといえば、自動識別端末の目の前に立ってからスマホを操作する人が相次ぐ手際の悪さで、紙の申告書類の方がはるかに早く進む。
まだ改善の余地はありそうだが、旧態依然としているように見えて、実は地道に改善されている。紙を使うなんてダサい、無駄にバイトが多いとある瞬間のシーンだけを切り取って言うのは簡単だ。
しかし昨年1年間、トータル6回ほど外遊した経験からすると、現場でのオペレーションは、ルールが繰り返し変更になる中で、改善が重ねられている。彼らの努力はもっと評価されていても良いのではないだろうか。
と、そんなことを思いつつ、CESの話題を整理していると「えっ? また?」と驚く記者会見をオンラインで目撃することになったのが冒頭の話。
スポーツ専門の映像配信サービス「DAZN」が、月額3000円だった料金を3780円に値上げするという話題だ。ちなみにそれ以前は1925円。アンフェアな書き方だが、1年前の22年1月を基準にすると、わずか1年余りで倍近くの料金になった計算だ。この取り組みは、視聴者やスポーツビジネスにとって、どのような意味を生むだろうか。
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