ボンカレーは以前から、「1968年に誕生した世界初のレトルトカレー」というブランドヒストリーを打ち出している。日本で生まれたレトルトカレーというジャンルのパイオニアなわけだから「世界最長寿ブランド」であることは自明の理だ。そんな分かりきっていることを、いくら誕生55周年という節目の年だとしても、なぜわざわざギネス認定してもらう必要があったのか。
いろいろな見方があるだろうが、個人的には「絶対王者ハウスを倒す決意のあらわれ」ではないかと考えている。
実は、ボンカレーはパイオニアではあるが、ナンバーワンではない。競争の激しい国内レトルトカレー市場では、ハウス食品の「カリー屋カレー」が絶対王者として長く君臨しており、同ブランドサイトでも「愛され続けて19年 連続売上No.1のレトルトカレー」という宣伝文句を掲げている。
この「カリー屋カレー」以外にもハウス食品は強者ぞろいだ。ボンカレーの宿敵ともいうべき「ククレカレー」、マッシュルームが入った「カレーマルシェ」、レストラン品質を追及し、最近テレビCMもよく見かける「プロクオリティ」、そしてあのCoCo壱番屋が監修した「もってこカレー」など、多彩なブランドがそろっている。
つまり、ハウス食品は「日本で最もレトルトカレーを売っているメーカー」と言っても過言ではないのだ。このように絶対王者を擁(よう)する“レトルトカレーのスター軍団”に対して、パイオニアブランドのボンカレーは厳しい戦いを強いられてきた。
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