そんな「様々なアングル」の中で最もメジャーなのは、「モンドセレクション 最高金賞受賞」と同じスキームだ。つまり、商品など広告やパッケージに、ギネスワールドレコーズのロゴとともに「世界一」がうたえることだ。
『ギネス世界記録の商標ライセンス:世界中で高い認知度を誇るギネスワールドレコーズの文言商標や公式ロゴをあらゆるタッチポイントで使用することで、リーチの最大化を図ることができます』(ギネスワールドレコーズ公式Webサイト)
実際、大塚食品もこの「ライセンス」を利用している。1月中旬からボンカレーゴールドは「ギネス世界記録認定記念 限定パッケージ」で販売されるというのだ。
この「世界一」をうたったロゴを付けたことで、どれほど売り上げアップに貢献するのかというのは正直ビミョーなところではあるが、売り場に並ぶことでブランディングにはそれなりに効果があるはずだ。
先ほども触れたように、日本人は「権威」に弱い、しかも「日本のホニャララは世界一」という響きを聞くと、うっとりとするという国民性もある。ギネスワールドレコーズ側がいうように「リーチの最大化」も期待できるかもしれない。
果たして、パイオニアブランドのボンカレーは、絶対王者の牙城を崩すことができるのか。普段われわれが何気なく食べているレトルトカレーの裏では、メーカー同士の熾(し)烈な争いが行われている。今年はそのあたりにも注目してみてはいかがだろうか。
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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