リテール大革命

「こんなものまであるの!?」で大ヒットの冷凍自販機「ど冷えもん」 パチンコ店の意外なニーズとは長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)

» 2023年01月19日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

7つのタイプを販売

 冷凍自販機のさまざまなニーズに応えるべく機種の開発を続けており、現状は7つのタイプが販売されている。

 第2弾の発売は、21年6月。ど冷えもんに、高機能自販機「MMV(マルチ・モジュール・ベンダー)を連結。1台で、常温(20度)、冷蔵(5度)、冷凍の3つの温度帯で商品の販売が可能になった。

ど冷えもんにマルチモジュールベンダーを連結。冷凍、冷蔵、常温と3温度帯に対応(出所:プレスリリース、以下同)

 第3弾の発売は、21年8月。冷凍・冷蔵切り替え型の「ど冷えもん NEO」と命名された。店舗前などの屋外で、冷凍食品に加えて冷蔵食品も販売したいという飲食店の要望に応えた。

 購入者側が冷凍(マイナス18度〜25度)、冷蔵(0〜10度)の温度設定を切り替えられる。また、屋外に対応した防水・防塵仕様を採用。これまで、従来の自動販売機では物理的に難しかった、屋外での冷蔵商品の販売が可能になった。

ど冷えもんNEO。冷凍・冷蔵切り替え型

 最大11種類308個の商品が販売できる。しかも、賞味期限を管理する機能を搭載。期限を過ぎた商品は自動的に「準備中」と表示されて、販売を停止できる点が画期的。

 ど冷えもん NEOの特徴として、庫内温度管理システムのヘルスサーモ機能が備わっていることが挙げられる。コンセントが外れたなどのトラブルで、冷凍及び冷蔵の温度帯を一定時間超えると、販売を停止する安全機能が働く仕組みになっている。

 オプションで、領収書が発行できるようにもなった。

 第4弾の発売は、21年12月。狭小スペースに対応した薄型サイズで「ど冷えもん SLIM」と命名された。従来のど冷えもんより、奥行きを130ミリ小さくした。

ど冷えもんSLIM

 最大6種類60個の商品の販売が可能だ。ど冷えもん SLIMでは、商品パネルの下部に410×210ミリの広告スペースが新しく設けられた。紙を内側から挿入するだけの簡単な操作で、新商品の告知や店舗への誘導がスムーズにできるようになった。

 第5弾の発売は、22年10月。こちらは逆に最大サイズで、従来のど冷えもんより幅を300ミリ大きくした。「ど冷えもん WIDE」と命名されている。

 搭載メニュー数はど冷えもん NEOの11種類から15種類に、販売可能な個数も308個から424種類に増やした。

 飲食店からの、大きな商品を中心により多品種の販売をしたいという要望に応えた。

 最新の第6弾は、23年1月11日に発売された、屋外型冷蔵自販機「ど冷えもん MULTI」である。この商品は、5度、18度、常温(非冷蔵)の3温度帯に切り替えられるのが特徴。防水・防じんの加工を施し、屋外に対応している。チルドや常温で販売したいニーズに応えた。

ど冷えもんMALTI。冷蔵と常温の3温度帯に切り替えられる。冷凍はできない

 従来のど冷えもんの幅が1030ミリなのに対して、920ミリとコンパクトになった。最大12種類、168個の商品が販売できる。

 シリーズ初となる「マルチエレベーター(可動式収納棚)」を採用。大型の商品や袋物により対処しやすくした。

 具体的には、2列のマルチエレベーターで、棚の動作を同期させることにより、大型の商品をスムーズに搬出できるようになった。

ど冷えもんMALTIのマルチエレベーター

 また、自由に高さなどを設定できる、プラスチック製の可変商品棚を初めて採用。商品収納の自由度が飛躍的に向上し、ストックが難しいとされた袋物や軽量の取り扱いという課題を解決した。

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