この実証実験では、顧客の属性と受け取ったサンプルやサービスチケットの内容、アンケート結果、利用者の行動データを取得した。これらは、実験に協力した各ブランドにフィードバックするほか、東急のマーケティング施策としても活用するという。
「これまでは、それぞれの店舗内で完結する、かつ購入後のデータしか取得できていませんでした。しかし、今回の実験では、その店舗に置いていないブランドのサンプルを用意したことで、当社が取引するブランド同士の親和性を導き出せます。さらに、購入前の行動データによって、より精度の高いアプローチもできる。これは大きなプラス要素です。
また、実験前はアプリのダウンロードは『ハードルが高い』と認識していましたが、LINEアカウントの登録に置き換え、コウリバという新たな体験を提供したことで、多くの新規登録者が獲得できました。並んででも体験したい方がこれほど多いというのも、意外な発見でした。
一方で、取得したデータを活用して事業を生み出すには、まだ道のりが長いなあと。Web上で取得したデータと店頭でのデータを組み合わせて、より効果的なマーケティング施策につなげる予定ですが、現状は仮設を立てながら検証している段階です」(吉田氏)
東急では、今回の実験以外に一部の店舗で店頭の人流解析も実施している。ただ、その人が商品を購入する顧客なのか、そうでないのかの判断がしづらく、データの信頼度には懸念があるという。
その点、コウリバをの実験では「すでに購入した顧客」を対象としているので、店内の人流解析よりグレードが高い行動データである点も有益だと考えているそうだ。
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