昨年末、大手百貨店そごう・西武がセブン&アイ・ホールディングスからヨドバシ・ホールディングスと連携する外資系不動産ファンドに売却されることが決定したとして話題になった。
西武池袋がヨドバシカメラを核店舗とした商業施設に替わるのではないかというニュースが報じられると、西武ホールディングスの社長や豊島区長が池袋がこれ以上、家電量販店激戦地となってもいかがなものかという意見を発信。これが話題となり、ついには売却期日の延期も発表されるなど紛糾している。
このことで、百貨店よりも、家電量販店の勢力図にまつわる関心が大きくなったと感じている。実際、池袋はヨドバシのライバルであるビックカメラの本拠地であり、他にも渋谷、横浜、千葉などの百貨店にヨドバシが出店するようになると、ビックの既存店との激突となるのは避けられず、業界シェアは大きく変動する可能性がある。
そもそも大手百貨店の再編問題に家電量販店が絡んでくるにしても、最大手ヤマダデンキではなく、ヨドバシ、ビックの名前が出てくるのは、家電量販店大手が主にカメラ系、電器店系に2分されていることによる。
名前の通りヨドバシ、ビックはカメラ系の勝ち組、ヤマダデンキ、ケーズデンキ、エディオンなどカメラ系以外の大手は地方の電器店系出身であり、その店舗スタイルや立地は、元来はかなり違っていた。
大都市の中心市街地やターミナルから発祥しているカメラ系は、都市部駅前などの繁華街に多層階の大型店舗を増やして成長した。一方、電器店系は郊外のロードサイドに2〜3階の低層型郊外大型店をチェーン展開することで成長した。
百貨店のような大都市ターミナル立地に家電量販店を展開するとなると、カメラ系の得意とするところなのである。こうした店舗スタイルの違いは、運営ノウハウでもあるようで、大都市ターミナルはカメラ系2社の実質独壇場となっている。そのため、今回のような百貨店に家電量販店が出店したり、百貨店跡地を転換したりする場合には、必然的にヨドバシかビックが絡んでくることになるのである。
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