シロカの「全自動コーヒーメーカー」はなぜ売れているのか 背景に2つの理由水曜日に「へえ」な話(1/4 ページ)

» 2023年02月01日 08時30分 公開
[土肥義則ITmedia]

 3位「PCM冷却リング」、2位「ちいかわ」、1位「Yakult 1000」――。

 月刊情報誌『日経トレンディ』が毎年まとめている「2022年ヒット商品ベスト30」の結果である。昨年の話なので記憶に残っている人も多いと思うが、10年前に1位となった商品を覚えているだろうか。

 2013年に何が起きていたかというと、アベノミクスが始まったり、東京でのオリンピックが決まったり、消費税率8%への引き上げが決定したり。そんなビッグニュースがあふれていた中で、ヒット商品のランキングで1位だったのは「コンビニコーヒー」である。

コンビニコーヒーが与えた影響はさまざまなところに

 コンビニコーヒーといえば「確か、セブンが始めたよね。それがヒットしたもんだから、他のコンビニも追随して……」と思われたかもしれないが、実は後発。いや、歴史を振り返ると先発とも言える。「ちょ、どっちなんだよ」と突っ込みが入りそうだが、そもそもの始まりは、1983年にさかのぼる。

 都内に店舗を構えるセブン-イレブンが試験的に始めたものの、その後、うまくいったりうまくいかなかったり。仮説検証を何度も繰り替えす中で、2009年にサークルKサンクス(現在はファミリーマート)が参入。淹(い)れたてコーヒーがじわじわ広がっていることを受け、ローソンやファミマなども手掛けることに。そして、4年後の13年1月に、セブンも参入して、あれよあれよという間に広がっていったのだ。

2013年に参入した「セブンカフェ」がヒット

 当時の報道を見ると、「セブンのコーヒー、1億杯を突破した」「目標は4億5000万杯!」といった文言が躍る中で、「コーヒーはコンビニで買う」という文化が浸透していって、いまでは全自動のコーヒーマシーンが4〜5台並んでいる店も珍しくない。

 コンビニコーヒーがもたらしたインパクトはとても大きくて、この年あたりからコーヒーの消費量がぐーんと伸びていった。全日本コーヒー協会のデータ(国内消費)をみると、13年は前年比で4%も伸びたのだ。

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