コロナ禍の中で出現し、特に20代、30代の若者からの人気が上昇しているのが、お酒のおつまみとして寿司をおしゃれに提供する「カタカナスシ」といわれる店舗群だ。新感覚の大衆すし居酒屋なのだが、カタカナで表記する店が多い。
代表格は、「スシエビス」。この店を運営する会社は、シーズン2(東京都渋谷区)。同店のプロデュースに携わったスパイスワークスホールディングス(東京都台東区)の下遠野亘社長は、繁盛店の仕掛け人として飲食業界では名高い人物だ。22年7月にオープンした浅草六区の新名所「浅草横町」は下遠野氏がプロデュースした。
スシエビスは20年11月、東京・恵比寿に1号店をオープン。他にも1月11日にオープンした西新宿、関西では大阪の天王寺、なんば、神戸の三宮などに出店している。坪当たりの月商が50万円を超える繁盛ぶりだ。
江戸前の粕酢(赤酢)の文化を守りつつ、その一歩先を行く黒酢を使った握りすしが3貫299円、職人が丁寧にひと手間加えた「極み寿司」は1貫299円などと、価格もリーズナブルだ。
また、スシエビスでは従来の発想を超えたすしが人気になっている。お酒のあてになる小ぶりの巻きずしとして「あて巻き」を開発。「鯵と梅肉のあて巻き」「アゴ出汁山葵稲荷」などの種類がある。
名物の「エビカニ合戦」は、カニの甲羅に、赤エビの身、ズワイガニのほぐし身、玉子の黄身、たっぷりのイクラをのせており、見るからにテンションが上がる商品だ。さらに、カニの甲羅は、あて巻きの上に乗っているのも特徴だ。
その他にも、イクラをカクテルグラスにふんだんに入れた「いくらカクテル」、まさにライスケーキという感じの「極みユッケと雲丹いくらミルフィーユ」など、同店でしか食べられないユニークな名物が目白押しだ。
お酒は「獺祭」「紀土」「八海山」など、えりすぐりの銘柄をそろえた日本酒が楽しい。
スパイスワークスがプロデュースにかかわったすし店は同店のほか、新宿が本店の「スシンジュク」などがある。
また、前出杉玉の業態開発にも下遠野氏のプロデュースが生かされている。
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