このように、すし居酒屋はリーズナブルな値段と創作性が特徴だ。江戸時代に風呂屋の帰りにすしを軽くつまんで一杯飲む屋台すしを復興させたような空間と料理のフォルムで、人気になっている。
テクノロジーを前面に出した回転すしとは趣を異にしており、街のすし店がなくなっていく隙間を埋めるような地域密着のスタイルで、飲まない人のランチ需要にも応えている。若者の間では、いわゆるカタカナスシがインスタ映えするメニューで爆発的にヒットしている。
コロナ禍以降、夜の繁華街では人が引ける時間が早くなっていて、飲む人も減っているが、普通の居酒屋とは違ってご飯の需要にも応えられるのが、すし居酒屋の強みだ。
すし居酒屋は、訪日外国人のインバウンド需要にも応えられるポテンシャルも持っている。しばらくは順調な成長が続いていくだろう。
【お詫びと訂正:2023年2月7日午前5時の初出で、「スシエビス」の運営会社を「スパイスワークスホールディングス」としておりましたが、正しくは「シーズン2」でした。2月14日午前5時、該当箇所を修正しました。お詫びして訂正いたします。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング