ワークマンが円安でも「価格据え置き宣言」できる理由 減益なのになぜ?妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(3/4 ページ)

» 2023年02月22日 05時00分 公開
[妄想する決算ITmedia]

 ビジネスモデルとしては、フランチャイズ店からのロイヤリティー収入に加え、PB商品を卸すことによって収益を得ています。

円安は影響しても、原料費高騰はダメージにはならない訳

 それでは続いてここ数年の業績の推移を見ていきましょう。

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 業績は売り上げ、利益ともにアパレルの成長によって大きく伸び続けています。

 リアルな店舗での販売をメインとしているため、コロナの影響は一定程度あったはずですが、それを上回るほどの好調さです。とはいえ22年3月期は成長が鈍化傾向にはあるため、成長がしっかり続くかには注目が必要です。

 続いて、23年3月期の第3四半期までの業績を、前年同期と比べながら見ていきます。

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 売上高は9.9%増の1008.4億円、営業利益は8.0%減の207.6億円、経常利益も8.0%減の211.9億円、純利益は7.7%減の132.0億円で、結果的には「増収減益」の決算となっています。

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 増収ながらも減益となった要因としては、円安による影響が大きく、売上原価のマイナスとして計上してきた海外仕入れにかかる利益が大幅に減少したとしています。

 結果として粗利率は29.5%→26.2%にまで減少しており、円安の影響は一定程度受けていたことが分かります。

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 なお、このように円安の影響はあるものの、同社によれば原料費高騰に関しては素材共有やスケールメリットによって影響がないとのことで、コスト面に関しては大きな問題は起こっていないようです。これもまた値上げを抑制できている1つの要因かもしれません。

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