YouTubeの広告収入が約8%も減少した要因として、TikTokにシェアを奪われたということが言われています。実際にTikTokの広告収入の推移を見ると、21年時点で40億ドルだった広告収入が22年には3倍近い110億ドル以上に成長し、Twitterとスナップチャットの合計収入を上回る見込みとまで言われているほど好調であることが分かります。
もっとも、TikTokを脅威とするのはYouTubeだけではなく、フェイスブックやインスタグラムといった他のあらゆるSNSも同様です。
認知を高めることが主な目的の広告の場合、アイボールシェアが集まっている媒体に広告費が集約されますので、TikTokの急成長によりシェアが分散された結果、別のSNSの収入が減ってしまうという構図です。しかし、アマゾンの広告は購買を促す広告のため、現時点では他と比べてTikTokが大きな脅威にはなっていないと考えられるのです(ただし、TikTokやInstagramは今後もソーシャルコマースに注力すると考えられており、アマゾンも安泰ではないでしょう)。
一方で、グーグル検索広告はアマゾンにとって競合と言えます。しかし、グーグルショッピング広告などは購買に直結するタイプの広告とはいえ、購買行為自体は各リテーラーのWebサイトにリディレクトされた後に行うため、すぐにでも商品を購入したい購買意欲が強いユーザーにとっては、ワンステップ少ないアマゾン上で検索し、即購入というステップの方がより魅力的です。実際に、米国では「商品検索ならグーグルよりアマゾン」と69%が回答しているという報道もあります。
アマゾンの広告は、グーグルと同様に、広告主が特定の検索キーワードに入札し、検索結果の上位に自社の製品リストを表示するというアプローチを採用しており、仕組み自体は似ていますが、アマゾンで商品を検索する人はすぐにでも商品を購入しようとしているのに対し、グーグルで検索する人は、ただ商品を検索、調査、比較している可能性もあり、結果的にROAS(Return On Advertising Spend:広告の費用対効果)に差が出てくると考える広告主が多いのかもしれません。
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