「スマホ依存症」への警鐘はあまり意味がない、なるほどの理由世界を読み解くニュース・サロン(1/3 ページ)

» 2023年03月09日 10時01分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 2023年1月、読売新聞にこんな記事が掲載されていた。なんでも、平日の午前7時から東京都渋谷区にある寺院で、スマホなどのデジタル機器を手放して座禅を組んで過ごすというものだった。

 いわゆる「デジタルデトックス」として、いっときもデジタル機器から逃れられない人たちに心の静寂を与えているようだ。記事では、この臨済宗大徳寺派香林院の住職が「普段、デジタル機器を使っている分、使わない時間をとることで本能的にバランスをとろうとしているのではないか」とコメントしている。

スマホなどのデジタル機器を手放して座禅を組みデジタルデトックスをするという(画像はイメージ)

 言うまでもなく、現在私たちはデジタル機器に囲まれて生活している。というより、デジタル機器なしでは生活しづらくなっているとさえ言える。特にビジネスパーソンは仕事にもならないだろう。

 ただ個人で使うスマホなどはこれまでも「依存」が問題になってきた。しかも新型コロナウイルス禍での外出自粛などの影響で、その傾向はさらに強くなったと指摘されている。仕事でも学校でも、リモートでのコミュニケーションが前提になり、デジタル機器は必要不可欠となった。

 そんな現状を受けてか、ここ最近「スマホ依存症」などの記事を頻繁にみるようになった。ただそんなに心配する必要はあるのだろうか。

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