ユニクロなどを展開するファーストリテイリングが、サステナビリティの取り組みを強化している。
「LifeWear=サステナビリティ」を掲げ、世界中のあらゆる人々に「よい服」を届けるためのビジョンと実行プランを発表したのが2021年の12月。22年11月に開催した説明会では、約1年間の進捗と、最新の取り組みを取締役グループ上席執行役員の柳井康治氏が明らかにした。
柳井氏は「リサイクル素材など温室効果ガスの排出量が少ない素材を使用した製品の割合を、30年までに50%に引き上げる」と話す。循環型のビジネスモデルを目指すファーストリテイリングの現状を見ていく。
柳井氏は、リサイクル素材を使った新商品を紹介しながら、サステナビリティの新たな取り組みを説明した。
22年に発表した商品で、リサイクルポリエステル100%の生地を使ったのがフリースジャケット。1994年に発売し、98年にブームが起きるなど、ユニクロの主力商品の一つだ。
フリースジャケットは毎年改良を続けていて、22年のリニューアルではペットボトルなどを原料にしたリサイクルポリエステルを使って、高い品質の製品を実現した。その経緯を柳井氏は次のように話す。
「リサイクルポリエステルを使ったときの最大の課題は、バージンポリエステルを使ったときの風合いに、いかに近づけていくかでした。遜色がないかどうかの検証を重ねて、やっと納得のいく仕上がりにたどり着けたと思っています」
柳井氏はフリースジャケット以外にも、リサイクル素材を使った商品の実物を示しながら紹介した。ドライEXポロシャツはリサイクルポリエステルを40%から80%使用。リサイクルダウンジャケットは、回収したダウンからリサイクルしたナイロンを100%原料にしていて、「われわれの循環型ビジネスモデルを象徴する製品」と強調した。
他にも、従来に比べて水の使用量を99%カットしたブルーサイクルジーンズも開発している。このジーンズに使用しているテクノロジーを活用して、最終工程で加工が必要な製品については、水の再利用などによって水使用量の削減に取り組んでいるという。
リサイクル素材などの割合は、21年12月の時点では1%だった。1年間の進捗と、今後の目標を柳井氏は次のように明かした。
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