一方、僕が独立した時期には問題もありました。マーケティング業界の先輩たちが独立したタイミングと重なっていたのです。
僕が「マーケティングコンサル」を名乗ると、先輩たちの競合として比較されるので、かなり苦しい競争を強いられることになります。そして万が一、先輩たちに勝てたとしても、そんなにうれしいとも思えませんでした。
そこで、マーケティングコンサルの仕事は諦め、他の仕事で理想の状態を実現しようと考えました。他の仕事といっても、イチから未経験の仕事をするのも無理があります。自分の経験を生かして「まだ誰もやったことがない仕事をする」という方向に意識が向きました(ここも「反対をとる」です)。
調べてみると、米国にはアドバイザーという仕事があり、ただ経営者を相手にしゃべっているだけで会社をよい方向に導いていることが分かりました。それならば資料を作る必要もないですし、納期に縛られることもなく、短時間で成果を出せそうな感触です。
時給30万円で1社4時間ぐらい相談に乗れば、年収3000万円も実現できそうです。納期にも縛られず、嫌な仕事を断れるという条件も十分満たしています。
このように、分解思考を使って条件を満たす仕事を探っていった結果、現在の仕事にたどりついたということです。
さらに、時給1万円や3万円でアドバイザーをする場合は、会社の部長クラスの人と仕事をすることになりますが、30万円になると経営者と直接仕事をすることになります。単価が高いので、経営者が「現場でやっておいて」とはいえなくなるからです。
こうすれば、僕がアドバイスをして会社の結果を変えるという仕事ができますし、経営者にも僕の仕事の価値に気づいてもらえると考えました。
また、問題を解決するためにも経営者と直接仕事をすることは大事なポイントでした。セールスの担当者の相談にのっていたけれど、本当の問題はマーケティング部にあったというときもあります。権限が大きい経営者と直接仕事をしてはじめて、本当の問題解決ができることもあります。
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