研修による能力開発だけでなく、キャリア開発の支援も改革の一つだ。上司との面談で中長期のキャリアビジョンを確認するといった取り組みのほかに、キャリアコンサルタントの資格を持つ社員を活用する取り組みも実施している。
この取り組みでは、社内のキャリアコンサルタントが上司との面談で解決できない相談などに応じ、業務から離れた立場で専門的なアドバイスをする。21年から始めて、これまでに約150人が利用した。
現在、グループ内のキャリアコンサルタントの有資格者は50人強。社内のさまざまな部署に所属しており、自身のキャリア形成の一環として資格を取得した人が多いという。
「有資格者は実践の場でキャリアコンサルタントの経験を積むことを望んでいます。そういった社員を活用することで、会社が目指す『社員のキャリア自律を高めること』と、有資格者のキャリア志向のベクトルを合わせることができます」(田中氏)。両者にとって価値を生む取り組みであるため、キャリア相談のほか、各年代の節目で実施するキャリアデザイン研修などへのキャリアコンサルタントの参画も進めていく。
研修やキャリア開発支援によって積極的に学ぼうとする社員は増えているが、一方で、組織風土の改革はまだ道半ばだという。制度をどんどん活用する人とそうでない人の差も大きく、田中氏は「コロナ禍の3年間において、社員による差、組織による差も開いてきた」と明かす。
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