決算書から日本経済を読み解く本連載。今回はセブン-イレブンやイトーヨーカ堂などを運営しているセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)を取り上げていきます。
セブン&アイといえば、以前はグループの中核を担っていたイトーヨーカ堂が、全126店舗のうち14店舗の閉鎖やアパレル事業からの撤退など大幅縮小を発表したことで話題となりました。今回はそんなセブン&アイの現状について確認していきましょう。
まずはイトーヨーカ堂。ピークには182店舗あった店舗はすでに126店舗まで減少しています。人員も計1700人の削減が進んでおり、縮小の流れはそもそも以前から大きく進んでいたものでした。
今後については「首都圏へのフォーカス」と「食へのフォーカス」の2つの方針を掲げ、都心で食品を中心とした店舗展開を進めていく姿勢を明らかにしています。
グループ全体の今後のビジョンとしても、食を中心としたグローバルでのリテールグループを目指すとしており、食への注力の方向性が見て取れます。
近年はグループ全体で大きな構造改革を進めており、2022年11月にそごう・西武の全株式譲渡を発表したことで話題を集めました。この他、OSHMAN'Sの全株式とFrancfrancの株式の一部譲渡も発表しています。
一方で海外では20年に米国のガソリンスタンド併設型コンビニのSpeedwayを2兆3000億円で買収したり、23年2月にはベトナム事業への追加融資を決定したりと海外展開への投資は積極的で、大きな変革を進めていることが分かります。
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