その代表がセブン-イレブンだ。1974年、東京・江東区に一号店を出したセブン-イレブンはその後、急速に全国へ広がっていくのはご存じの通りだ。
しかし、このような70年代に確立した全国制覇型ビジネスモデルは、人口増が成長の前提なので、人口減に転じていくと逆回転してジリ貧になっていく。これが贅沢品の場合、さらに悲惨な末路が待っている。
分かりやすいのが、「小僧寿し」だ。
『なぜ「小僧寿し」は危機に陥ったのか 犯人は“昭和のビジネスモデル”』という記事の中で詳しく解説をしたが、小僧寿しは高度経済成長の波に乗って拡大路線をひた走り、1979年には売上高531億円をあげ外食産業日本一の規模に輝くと、87年には、なんと全国で2300店舗を展開した。
当時、まだ寿司は贅沢品だったので、それを手頃な値段で持ち帰れるという小僧寿しは、ちょっとした「ブーム」になったのである。だが、先ほど申し上げた悪循環にハマる。それだけ店があふれたらブランド価値は急速に低下する。
そこに加えて、安価な値段で寿司を提供する回転寿司チェーンも台頭してきて、スーパーのパック寿司も売れるようになると、小僧寿しは「よく見かける高い店」に成り下がってしまい結果、大量閉店に追い込まれてしまう。
だが、店を減らしたくらいでは、この悪循環はなかなか抜け出せない。かくして小僧寿しは近年まで苦戦が続き、18年12月期決算ではついに債務超過に陥ってしまうのである。
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