「応答くん」のみならず、同社はこれまでも社員の発案から数々のユニークなアイデア商品を手掛けている。2020年12月に発売した「せんべろメーカー」は、1台でおでんや焼き鳥・炙りに熱燗を楽しめる調理器具。コロナ禍で広まった「リモート飲み」などのニーズに対応する。商品名は「1000円でべろべろに酔えるほど安く飲める」との意味を込めている。好評を博し、翌年には「にせんべろメーカー」を新たに開発した。
「リモート飲み」などのニーズを狙った「せんべろメーカー」
このほかにも、本格的な蒸し料理を簡単に作る「冷凍食品用せいろ蒸し器 点心爛漫」、冷える足元を暖める「巻くコタツ KOZUTSUMI」など、いずれも社員のアイデアから商品化。そのユニークさは、SNSなどを中心にたびたび話題に上る。
「冷凍食品用せいろ蒸し器 点心爛漫」(左)と「巻くコタツ KOZUTSUMI」
社員から出るユニークなアイデアの数々は、どのようにして拾い上げているのか。担当者はこう話す。
「当社では、誰でもアイデアを出すことができるので、思いついたら社内のインターネットのコミュニケーションツールに投稿したり、直接社長に話したりします」
「アイデアは、社内で実現可能性を探り、『いける』と判断されたものについては、次のステップとしてサンプル制作へと進んでいきます」
同社は社員数約30人。部署の垣根に関係なく、アイデアを出し合うことで、これまでに家電やアウトドア商品など約100品を販売してきた。
特殊詐欺対策として問い合わせが増えている「応答くん」
応答くんは、「ルフィ事件」の報道が増した2月以降、特殊詐欺対策として問い合わせが増えているという。女性社員の不安から生まれたアイデアは、多くの人々の不安を解消するアイテムへと成長している。
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