「マクドナルドの『てりたま』のように定着させたい」──こう語るのは、吉野家の新メニュー「焦がしねぎ焼き鳥丼」の開発を手掛けた千葉祐二さん。吉野家でメニュー開発のリーダーを務める。「牛丼」のイメージが強い吉野家だが、近年は新たな収益源として「鶏肉」のメニュー開発も強化している。新メニュー開発の経緯などを聞いた。
吉野家は2022年4月、春季限定メニューとして「親子丼」を発売。約2ヶ月半で販売総食数が400万食を超えるヒット商品となった。千葉リーダーによると「販売期間中、親子丼は総売り上げの2割を占めた。新商品でここまでの販売数はかなり稀だ」という。
牛丼が看板商品の吉野家。競合と比較して鶏肉メニューが手薄だったことを背景に、開発した。千葉リーダーは「鶏肉を使ったメニューといえば、親子丼のイメージが強い。誰でも知っている定番メニューということや、低価格がヒットの要因」と振り返る。
ところが前年同様、親子丼の提供を準備していた23年1月、思わぬニュースが入った。鳥インフルエンザの流行で、市場での鶏卵の流通数が減少しているという内容だった。状況は悪化の一途をたどり、親子丼の提供を断念。新メニューの検討を余儀なくされた。
だが、意外にも商品開発チームに焦りはなかった。すでに腹案があったからだ。「親子丼の商品化を検討する中で、焼き鳥丼のアイデアもすでに出ていた。鶏肉の丼メニュー=親子丼という認知度を優先して親子丼の発売が決まったが、焼き鳥丼も同様の認知度がある。味付けや調理工程も固まっており、いつでも商品化できる状態だった」と千葉リーダー。早速、“ネタ帳”から焼き鳥丼のレシピを取り出し、試験販売に向けた最終調整を始めた。
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