春の定番に定着なるか 吉野家の新メニュー「焼き鳥丼」開発の舞台裏目指すのは「マックのてりたま」(3/3 ページ)

» 2023年04月13日 11時50分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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「マクドナルドの『てりたま』のように定着させたい」

 2か月半で400万食を記録した“親子丼超え”への期待が集まる焼き鳥丼。どちらのメニューも4月に発売した商品だ。なぜ、この時期なのか。千葉リーダーは「季節限定メニューを打ち出し、消費者にイメージとして定着させる必要があったため」と指摘する。

 吉野家はイメージ戦略として、季節限定メニューをこれまで販売している。代表的な商品が冬季限定の「牛すき鍋膳」だ。冬のホットメニューとしては、コンビニ各社の「おでん」「肉まん」というイメージが先行する中、丼メニューのイメージが強い吉野家と鍋メニューというギャップが消費者に受け入れられ、13年の発売以来、累計8000万食を記録。競合も類似商品を投入するなど、定番メニューとして業界内で定着しつつある。

photo 牛すき鍋膳

 吉野家は他にも「牛麦とろ丼」(夏)、「月見牛とじ丼」(秋)のような季節に応じた商品を展開する中、春だけ定番メニューが定着していなかった。

牛麦とろ丼(左)、月見牛とじ丼

 千葉リーダーは「例えばマクドナルドには、春は『てりたま』、秋は『月見バーガー』のように消費者のイメージに定着した商品が存在する。今回は焼き鳥丼になったが、親子丼も含め、開発者としては春の定番メニューとして定着してほしいし、『春といえば吉野家』とイメージしてもらえるよう、今後も春をイメージしてもらえるような商品を開発していきたい」とした。

てりたま(左)、月見バーガー(ともに出典:マクドナルド公式Webサイト)

 祖業である牛丼を販売して120年以上の歴史を誇る吉野家が手掛ける鶏肉の丼メニューが、春の定番として定着するか注目を集めそうだ。

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