人はロボットによる謝罪を受け入れることができるのか。1台ではなく、複数台のロボットに謝られたら、感じ方はどう変わるのか――。飲食店などで人の代わりに給仕する配膳ロボットの導入が進む。とはいえ人が作った以上、ロボットにも失敗はつきものだ。給仕中のロボットが料理を落として謝罪するケースを想定したユニークな実験が行われた。人工物のロボットの謝罪に、人はどんな反応を示したのか。
「ロボットという人工物であっても、複数台による謝罪を行うことで、より謝罪を受け入れてもらえることが分かりました」
こう話すのは、実験を行った同志社大学ソーシャルロボティクス研究室の飯尾尊優准教授だ。
実験は同大と国際電気通信基礎技術研究所(京都府精華町)インタラクション科学研究所の塩見昌裕室長らが共同で実施した。ロボットが給仕中に注文商品のアイスクリームを誤って床に落としてしまう。失敗したロボットが1台だけで謝る場合と、別のロボットが加わり2台で謝る様子を動画で再現し、これを被験者約200人に見てもらいWebアンケートを取った。
この結果、2台で謝ったほうが1台で謝った場合より許せる度合いが増し、ロボットに対する信頼度も増加。店舗に対する不満も低下することが分かった。
さらに、追加実験では2台による謝罪だけでなく、ロボットが片付けをするような振る舞いを見せることで、より許せる度合いが増すことも分かった。
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