リカバリーウェアが15万枚も売れた 成長が続くテンシャル社の強みは2つ「健康」を追求(3/6 ページ)

» 2023年04月16日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

強みは「Webの強さ」と「エビデンス」

 テンシャル社は、創業から5年で年平均440%の事業成長を実現しているという。創業当初は、月間180万PVを超えるスポーツ情報メディア「SPOSHIRU(スポシル)」(23年4月現在は閉鎖されている)とD2Cのウェルネスブランド「テンシャル」の両軸で事業展開をしていたが、現在は「テンシャル」に一本化している。

 インソール一つをとっても多くの競合が存在する業界で、勢いよく事業成長ができている理由はどこにあるのか。中西代表は、「Webの強さ」と「エビデンス」の2点をあげた。

イベントに登壇したテンシャル社の中西代表(左)とプロダクト推進部長の相川和也氏(右)、早稲田大学睡眠研究所 所長の西多昌規氏(筆者撮影)

 「D2Cブランドは、店舗かオンラインのいずれかで製品を販売するのが基本です。ウェルネスブランドには老舗が多く、そのほとんどは店舗販売がメインでデジタルに弱い印象があります。一方、新興企業ではモノが売れればいいといった感じで、薬機法(正式名:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)を守っていないケースも見られます。そうなると結局、事業は継続しません。

 そういった競合と比較した違いは2点あり、1つ目は製品を開発してから販売するまでのWebのプロセスをすべて内製化している点です。ECサイトの設計、マーケティング、カスタマーサクセスなど、すべて内製できる体制にしています。22年11月に直営店舗『TENTIAL 渋谷パルコ』もオープンし、そこで拾った顧客の声も製品開発やWebマーケティングに生かしています。

 2つ目は、科学的エビデンスや機能性を重視している点です。インソールにおけるキュボイドバランス理論の効果検証をはじめ、100人以上の専門家と連携してエビデンスの提供に努めています。このような姿勢を著名なトレーナーやユーチューバーさんなどに評価いただき、彼らの推薦が認知拡大につながっています」(中西氏)

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