家電の「サンコー」がテレビに何度も登場する、納得の理由広報戦略を聞いた(5/5 ページ)

» 2023年04月26日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]
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目指すはコメンテーター。さらなる露出を狙う

 23年は「伝え方」をテーマにした書籍の出版が決まっており、ますます精力的にメディアに露出していきたいと、えき氏は意気込みを語る。

 「サンコーの広報部部長として、会社目線で僕をどう使うのがベストかを常に模索していますが、基本的にはスキルをどんどん磨いて僕自身の認知度を上げていきたいです。自分自身も楽しいですし、サンコーの知名度や売り上げ向上にもつながると感じています。

 今年はコメンテーター枠を狙っていて、レギュラーとして番組のコーナーに出演する、あるいは自身のラジオ番組を持つなどにチャレンジしたいなと野望を持っています」

満面の笑みでエッキーポーズをする、えき氏。テレビのディレクターなどから企画の相談が多くあるそうだ

 えき氏は、TwitterやTikTok、YouTubeといったSNSの個人アカウントも運用しており、サンコーの商品を使った動画をバズらせた経験も持つ。とはいえ、メディアでの取り上げられ方に比べると、まだまだ伸びしろがある状態なのだとか。

 「個人のアカウントは、会社に役立つことと自分が好きなことをかけ合わせて発信しています。その中で効果が出るスタイルを見つけて、積極的に運用しています」

パンやケーキを美しく切れるコードレス電動包丁「エレクトリックナイフ」(6480円)の動画は、SNSでウケがよかったとか

 メディアに露出すれば、勝手にフォロワー数が伸びる、というほど甘くはない。とはいえ、数々のメディア露出によって「サンコー=おもしろ家電の会社」として知られるようになり、売り上げにも貢献しているのは事実のようだ。

 えき氏の広報戦略はどの企業にもハマるものではなく、誰にでもできるとは思えない。だが、社員の「個性」を伸ばして企業の成長につなげる一つのあり方かもしれない。

写真提供:サンコー

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