「コメダが目指すのは『街のリビングルーム』。店内でくつろいでもらえることが、私たちの北極星みたいなものです」(伊藤さん)
コメダ創業者の加藤太郎氏は、新奇性のあるメニューや店舗づくりではなく「コツコツと店と腕を磨くことが大事」(伊藤さん)との考えを持ち、社員は「サービス品だからこそ手を抜くな」との教えを叩きこまれてきたという。
無料でもパンは焼き立てで熱々のものを提供する。ゆで卵も熱々のものを提供する。こうしたサービスへのこだわりが、居心地のよいリビングルームのような空間を生み出す。
奇をてらわないのはモーニングに限らず、コメダの商品全般にいえる特徴だ。例えば、ドリンクで通常より大きいサイズは「ラージ」とはせず「たっぷりサイズ」と表記する。商品のネーミングも「メロンソーダ」「クリームソーダ」「ミックスサンド」「ハムサンド」――などと極めてシンプルだ。
「客層は子どもから年配層まで幅広い。変わった商品を取り入れてしゃれた感じを演出するのではなく、誰もが安心して食べられるメニューを提供するのがコメダブランド全体の根底にある」と別の広報担当者は話す。
モーニングの発祥とされる名古屋発の企業らしく、「王道のモーニング」で顧客の心をつかむコメダ。幅広い客層に配慮した分かりやすいメニューづくりが、シンプルながらも洗練されたブランドイメージを確立させている。
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