「シンプルイズベスト」だからいい コメダ珈琲店のモーニングが愛される納得の理由「街のリビングルーム」(2/2 ページ)

» 2023年04月29日 06時00分 公開
[ITmedia]
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 「コメダが目指すのは『街のリビングルーム』。店内でくつろいでもらえることが、私たちの北極星みたいなものです」(伊藤さん)

 コメダ創業者の加藤太郎氏は、新奇性のあるメニューや店舗づくりではなく「コツコツと店と腕を磨くことが大事」(伊藤さん)との考えを持ち、社員は「サービス品だからこそ手を抜くな」との教えを叩きこまれてきたという。

無料トッピングとして選べる「手作りたまごペースト」(左)と「パリッとソーセージ」。卵を使用した商品は昨今の鶏卵不足の影響で提供できない場合があるという

 無料でもパンは焼き立てで熱々のものを提供する。ゆで卵も熱々のものを提供する。こうしたサービスへのこだわりが、居心地のよいリビングルームのような空間を生み出す。

シンプルイズベストな商品名

 奇をてらわないのはモーニングに限らず、コメダの商品全般にいえる特徴だ。例えば、ドリンクで通常より大きいサイズは「ラージ」とはせず「たっぷりサイズ」と表記する。商品のネーミングも「メロンソーダ」「クリームソーダ」「ミックスサンド」「ハムサンド」――などと極めてシンプルだ。

パンに塗るものも1つ無料で選べる。「いちごジャム」(左)と「バターまたはマーガリン」

 「客層は子どもから年配層まで幅広い。変わった商品を取り入れてしゃれた感じを演出するのではなく、誰もが安心して食べられるメニューを提供するのがコメダブランド全体の根底にある」と別の広報担当者は話す。

「しゃれた感じを演出するのではなく、誰もが安心して食べられるメニューを提供するのがコメダブランド全体の根底にある」と担当者は話す

 モーニングの発祥とされる名古屋発の企業らしく、「王道のモーニング」で顧客の心をつかむコメダ。幅広い客層に配慮した分かりやすいメニューづくりが、シンプルながらも洗練されたブランドイメージを確立させている。

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